呉羽之介、美の永遠を祈請して悪魔を呼ぶ事

 と、片里は、呉羽之介をみつめていた目を画面へと移し、限りない讃美の声をあげるのでした。「なるほど、先程にくらべると、ほんの少し筆を入れただけで、また一しお見ちがえるまでになったなんという美くしさ、若々しさあでやかさ――まるでほんものの呉羽之介どのそっくりじゃ」「わしには一生に又と、これよりすぐ...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:33 pm  

片里どのの言葉ご用心なされ

「呉羽之介どの、片里どのの言葉ご用心なされ――学は古今に渡り、識百世を貫《つら》ぬく底の丈夫《ますらお》なれど何を拗《す》ねてか兎角《とかく》行《おこない》も乱れ勝ちな人ゆえ、この人の言うことなぞ信用はなりませぬぞ」「これはまた聖人どののお叱《しか》りか――」 片里は親しい友人の罵倒をかるく笑い...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:32 pm  

一生懸命にはたらいているのです

 呉羽之介は片里が指すままに庭をながめました。青々《せいせい》たる梧桐《ごとう》の下に箒木を手にしている老人は、老い屈《かが》んだ腰も重げにうめきながら、みにくい皺《しわ》で一ぱいになった顔を、日のまぶしさにしかめつつやせ衰えた脛《はぎ》をふんばり、僅かな仕事に汗水を流して、一生懸命にはたらいている...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 03:31 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0114 sec.

http://homes4simivalley.com/